2000/03/15 暫定公開
誰でも思い出したくない対局はあるはずだが、この「激指」戦はまさにそれだ。この「激指」は東大近山研究室制作のプログラムだ。この対局の問題はこの「激指」にあるのではなく、丸電将棋の弱点そのものだ。バグといってもいいだろう。序盤の定跡をはずれたところから駒組にいたるまでのところである。丸電将棋は今回、探索木を20%位、直前になって大きくしたため持ち時間を目いっぱい使うようになっていた。時間を特に使うところは序盤である。そこで節約のために序盤の相手からの攻撃に対しての読みを簡略化し、本格思考を実施するか、そのまま駒組ルーチンでいくかをすばやく判定するようにしていた。これがいけなかった。角頭をねらわれたときに同歩と応じなければいけないところを駒組みの手を指してしまったのだ。わずか45手の投了となった。この悪手はなんとなく予想できていたことであり、私自身はあまり驚かなかった。「激指」のチームの人には申し訳のない対局となってしまった。これで2連敗。対局終了後は思考ルーチンはそのままで定跡データを2手登録し、おなじ局面が発生したときに同歩で応じるように変更した。なぜ思考ルーチンを変更しなかったか。大会当日の思考ルーチンの変更は慎重な作業を要する。バグの挿入はいつ起こるかわからない。テスト時間を十分取れない以上、できるだけ思考ルーチンの修正は避けたほうがよいのだ。今後似たようなポカはおきないと考えていた。この激指戦は相掛かりとなったがこの戦法を採用してくるソフトは他にはないだろうと考えた。そしてこの判断はおおむね正しく、以後おなじポカでやられることはなかった。
先手:激指(げきさし) AT互換機(PentiumIII 700MHz*2)C++
後手:丸電将棋 Aptiva(K6-2 400MHz)C++
思考時間(丸電将棋側の時間計測による)
激指 3分49秒
丸電将棋 4分47秒
気を取り直して3局目である。
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